以前は牛皮のローハイドを利用した積上(カップリング)や歯車なども製作していました。
積上は『つみあげ』、と読みます。丸く抜いた,厚さが3ミリから5ミリほどの革を張り合わせて30~100ミリくらいの長さのパイプ状にしたものをいくつもならべて長いロールとして使います。
ローハイドとは、牛の皮を石灰漬けにして毛をむしって干したものです。ろうがが固まったかんじでがちがちに硬いです。昔は剣道の胴に使われていたとか。アメリカではカウボーイがズボンの上に着用していたとか。ローハイドというとアメリカのドラマやその主題歌が有名ですね。私は見たことないのでなんともいえないのですが、恐らくそういうところから来ているのでしょう。がちがちに硬いものを無理やり抜いて圧力をかけて貼り合わせて切削してロールにしたり歯車にします。金属よりもやわらかく、歯車としては十分硬いという品物が出来上がります。金属ではないので火花も飛ばないし音もしません。
金属の歯車はぶつかったときに火花が散って鉱山などでは危険だったのに対してローハイドの歯車はそのようなことがなく、昔は需要があったようです。
10年ほど前のことでしょうか、需要もほとんどなくなり材料も手に入りにくくなり製作終了となりました。歯車などはMCナイロン等で代替されているようです。一部でどうしてもローハイドでないと困ると言うお客様もいらっしゃいました。誠に残念ですが弊社ではどうすることもできませんでした。