フッ素樹脂には、PTFEのほかにPFAやFEPなどがあります。それぞれの樹脂は独自の特性を持っており、用途に応じて使い分けられています。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
PTFEは、最も一般的なフッ素樹脂です。その優れた耐薬品性、耐熱性、低摩擦係数から、さまざまな分野で広く使用されています。代表的なのが、化学装置の部品、食品工業の器具、建築材料などでの利用です。
特に、摺動部品としての利用が多く、ガラス繊維などの充填材を加えることで耐摩耗性が向上し、実用性が高まります。
PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)
PFAは、PTFEと同様に高い耐薬品性と耐熱性を持っていますが、さらに粘着しにくいという特性を持っています。
耐薬品性が高いことから医薬品のボトルやビーカーなどに使わているほか、半導体製造装置でも積極的に利用されています。
FEP(パーフルオロエチレン-プロペンコポリマー)
FEPは流動性があり成形性に優れたフッ素樹脂で半透明の素材です。
PTFEの融点は300℃を超えているのに対して、FEPは260℃程度なので、より低い温度での成形が可能です。それでいて、PFAなどと同等の耐薬品性を有し、PTFEと同等以上の引張強さ、ショア硬さ、絶縁性があります。
その他のフッ素樹脂
フッ素樹脂には、他にもETFE(エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー)やPVDF(ポリビニリデンフルオライド)などがあります。
ETFEは溶媒に溶ける性質を利用してコーティング剤として使われています。PVDFは機械的強度と加工性に優れた素材で、バルブ、キャップ、パイプ、フィルムシートなどで利用されています。
4.弊社の業務
弊社では素材メーカーから素材を購入し、各種加工・成形を行っています。ある程度の在庫を持ち、素材の販売・切り売りも行っていますが、素材メーカーではありません。
加工方法としては、ビク型等による板材からの裁断加工、丸棒やパイプからの切削加工が主です。
5. 参考図書
このサイトをご覧になって、テフロン(R)のカタログの請求をされる方がいらっしゃいます。詳しく趣旨をお聞きすると、テフロン(R)というものがなんだかよくわからないから勉強したいという旨の場合がほとんどです。
素材メーカーのカタログはあるにはありますが、カラフルな写真と簡単な用途の紹介、物性表と寸法表が載っている程度で、お客様の趣旨にはそぐわない場合が多いように思います。
自動車のカタログをいくら熟読したところで、運転が出来るようにはなりません。むしろ書店で入手可能な書籍などの方が参考になる場合も多いようです。
参考までに数冊ご紹介させていただきます。もちろん、もう少し踏み込んだ内容のお問い合わせは遠慮なくどうぞ。
●『プラスティック読本』㈱プラスティック・エージ
●『初歩のプラスチック』三光出版社
●『やさしいエンジニアリングプラスチック』三光出版社
●『バルカーハンドブック』日本バルカー工業株式会社(一般には入手しにくいです)
※日本バルカー工業㈱サイトでダウンロードできます。(VALQUA HAND BOOK PDF判 2007.7 技術編P474)